論理的思考力を鍛えるには?知能検査の「行列推理」と例題3問
公開: 2026-07-17|IQテスト.jp編集部
論理的思考力は、ビジネスの場面で「ロジカルシンキング」として語られることの多い力ですが、知能検査の世界では、行列推理をはじめとする推理課題で古くから測定されてきました。
この記事では、論理的思考力とは何か、知能検査で使われる行列推理という形式の仕組み、三段論法などの言語的推理を、オリジナルの例題つきで解説します。例題はすべて当サイトが独自に作成したものです。
論理的思考力とは
論理的思考力とは、与えられた情報から規則や関係性を見つけ、筋道を立てて正しい結論を導く力のことです。「AならばB、BならばC、よってAならばC」のように、飛躍なく段階を踏んで考える力と言い換えることもできます。
知能検査では、知識の量に左右されにくい図形パターンの課題や、言葉の関係を問う課題を通じて、この力を測ろうとします。
行列推理とは。知能検査の代表的な形式
行列推理とは、3×3などのマス目(行列)に一定の規則で図形が並んでおり、空欄に入る図形を選択肢から選ぶ形式の課題です。行ごと・列ごとに「形が変わる」「数が増える」「向きが回転する」といった規則が仕込まれており、それを見抜けるかどうかが問われます。
言葉や知識をほとんど使わないため、言語や文化の影響を受けにくい課題形式とされ、多くの知能検査で中心的な役割を担っています。
例題で体験。行列推理2問(オリジナル)
行列推理の感覚をつかむために、文章で表せる簡単な例題を2問用意しました。頭の中にマス目を思い浮かべながら解いてみてください。
例題1(基礎)
3×3のマス目に図形が並んでいます。1行目は左から「丸が1個」「丸が2個」「丸が3個」。2行目は左から「四角が1個」「四角が2個」「四角が3個」。3行目は左から「三角が1個」「三角が2個」と並び、右下のマスだけが空欄です。空欄に入る図形は何でしょうか。
答えは「三角が3個」です。この問題には、行ごとに図形の種類が決まっている(丸・四角・三角)、左から右へ数が1個ずつ増える、という2つの規則があります。両方を右下のマスに当てはめると、三角が3個になります。
例題2(応用)
各マスには矢印が1本描かれています。1行目は左から「上向き」「右向き」「下向き」。2行目は左から「右向き」「下向き」「左向き」。3行目は左から「下向き」「左向き」と並び、右下が空欄です。空欄に入る矢印の向きはどれでしょうか。
答えは「上向き」です。どの行も、左から右へ進むごとに矢印が時計回りに90度ずつ回転しています。3行目は「下向き」「左向き」と来ているので、左向きからさらに90度回した上向きが入ります。縦の列で見ても同じ回転の規則が成り立っていることを確認できると、より確実です。
言語で考える推理。三段論法
図形だけでなく、言葉を使った推理も論理的思考力の重要な側面です。代表的なのが三段論法で、「すべてのAはBである」「CはAである」という2つの前提から、「CはBである」という結論を導く形式です。
例題3(三段論法)
「この図書館の司書は、全員が読書家です」「Dさんは読書家です」。この2つの前提から、「Dさんはこの図書館の司書である」と結論できるでしょうか。
答えは「結論できない」です。前提が保証しているのは「司書ならば読書家」という向きだけで、逆の「読書家ならば司書」は保証されていません。読書家には司書以外の人も大勢いる可能性があるからです。このように条件の向きを逆にしてしまう誤りは、日常の議論でも頻繁に起こります。
論理的思考力の鍛え方
論理的思考力を伸ばす特効薬はありませんが、日常に取り入れやすい方法として次のようなものが挙げられます。
- パズルやナンプレ、行列推理形式の問題に取り組む
- 文章を読むとき「根拠」と「結論」がどれかを意識して分解する
- 「逆も本当に成り立つか?」と条件の向きを確かめる癖をつける
- 結論を出す前に、別の説明が成り立たないかを一度考えてみる
行列推理形式の問題を解いてみる
当サイトの論理テストは、今回紹介した行列推理と同じ発想の図形パターン問題で構成されています。問題はすべて当サイトのオリジナルで、結果の閲覧まで無料です。例題で感覚をつかんだら、ぜひ本編で腕試ししてみてください。
よくある質問
行列推理はなぜ知能検査でよく使われるのですか?
言葉や知識にほとんど頼らずに推理力を測れるため、言語や文化圏の違いに影響されにくい課題形式だからです。
論理的思考力は生まれつきで決まりますか?
推理課題の得意・不得意には個人差がありますが、条件を整理する、根拠を確かめるといった思考の手順は、練習で身につけられる技術でもあります。
この記事の例題は実際の知能検査の問題ですか?
いいえ。例題はすべて当サイトが独自に作成したオリジナルです。実在の知能検査の問題の転載や模倣はしていません。